車の名義変更に必要な書類|販売店が準備するものと普通車・軽の違い
車を売ったあとの名義変更は、お客様にとっては「お店がやってくれる手続き」です。そのぶん販売店の側では、お客様から集める書類、店で書く書類、警察署で取る書類が一度に重なり、1枚足りないだけで窓口に行き直すことになります。この記事では、国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイト、軽自動車検査協会、警察庁の案内と道路運送車両法の条文をもとに、名義変更に必要な書類を販売店が準備する順番で整理します。
車の名義変更(移転登録)とは:申請期限は15日以内
普通車など登録自動車の名義変更は、法律上「移転登録」と呼ばれます。道路運送車両法第13条は、登録自動車の所有者が変わったとき、新所有者はその事由があった日から15日以内に移転登録を申請しなければならないと定めています。軽自動車は登録制度の対象外で、軽自動車検査協会で自動車検査証の記録事項を変更する手続きになります。こちらも同法第67条で、変更があった日から15日以内に変更記録を受けることとされています。
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトのQ&Aは、15日を過ぎても手続きはできるので必ず行うよう案内しています。手続きをしないと、リコールや自動車税などの大切なお知らせが届かなくなるとも書かれています。販売店にとっては、納車日から逆算して書類の回収と申請の日を決めておくことが、期限を守るいちばん確実な方法です。
移転登録の期限と申請者
車の名義変更(移転登録)は、道路運送車両法第13条により、所有者の変更があった日から15日以内に新所有者が申請するものと定められています。軽自動車の場合は、同法第67条にもとづく自動車検査証の変更記録として、同じく15日以内に手続きします。申請先は、普通車が運輸支局等、軽自動車が軽自動車検査協会の事務所・支所です。実務では販売店が代理人として申請することが多く、その場合は新旧所有者の委任状が必要になります。国土交通省のQ&Aでは、期限を過ぎても手続き自体はできるとしつつ、行わないとリコールや自動車税などのお知らせが届かなくなると注意しています。納車の日程が決まった時点で、申請日までを1枚の段取り表に落としておくと遅れを防げます。
普通車の名義変更に必要な書類一覧(運輸支局)
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトにある「車を売買等により名義変更するために必要な書類」から、登録車の項目を、販売店が誰から何を集めるかの観点で並べ替えました。
| 書類 | 用意する人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 移転登録申請書(自動車検査証変更記録申請書) | 販売店(代理申請の場合) | 新旧所有者が直接申請する場合は実印を押す |
| 手数料納付書 | 販売店 | 自動車検査登録印紙を貼る |
| 譲渡証明書 | 旧所有者 | 譲渡人の実印を押す |
| 新旧所有者の印鑑(登録)証明書 | 新所有者と旧所有者 | 発行から3か月以内 |
| 新旧所有者の委任状 | 新所有者と旧所有者 | 代理人が申請する場合に必要。実印を押す |
| 使用者の委任状 | 使用者 | 申請書に使用者の記名があれば不要 |
| 自動車保管場所証明書(車庫証明) | 新所有者側(販売店が代行することが多い) | 使用の本拠の位置が変わり、証明が要る地域の場合。証明の日からおおむね1か月以内 |
| 使用の本拠の位置を証する書面 | 新使用者 | 使用の本拠の位置が変わり、保管場所証明の適用地域外の場合 |
| 使用者の住所を証する書面 | 新使用者 | 新所有者と新使用者が同じでない場合 |
| 自動車検査証 | 旧所有者(車と一緒に受け取る) | 有効期間内のもの |
| 旧所有者の氏名・住所の変更を証する書面 | 旧所有者 | 車検証の記載から氏名や住所が変わっている場合 |
このほか、管轄が変わってナンバーが変わる場合はナンバープレート、希望ナンバーにする場合は希望番号予約済証が必要です。事業用自動車にかかわる場合は事業用自動車等連絡書も求められます。
普通車の名義変更で販売店が集める書類
普通車の名義変更(移転登録)で、販売店がお客様と前の所有者から集める書類は、主に譲渡証明書、新旧所有者の印鑑証明書、新旧所有者の委任状の3種類です。国土交通省の案内では、譲渡証明書には譲渡人の実印を、代理人申請のための委任状にも実印を押すこととされ、印鑑証明書は発行から3か月以内のものに限られます。これに、販売店が作る移転登録申請書と手数料納付書、有効期間内の自動車検査証が加わります。使用の本拠の位置が変わり、車庫証明が必要な地域なら、証明の日からおおむね1か月以内の自動車保管場所証明書も要ります。印鑑証明書の発行日と車庫証明の証明日はどちらも期限があるため、受け取った日付を控えておくと差し戻しを防げます。
軽自動車の名義変更に必要な書類(軽自動車検査協会)
軽自動車の名義変更は、新しい使用者が車を使う場所(使用の本拠の位置)を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で行います。協会の案内では、自動車検査証の記録事項の変更にかかる申請手数料は無料です。
| 書類 | 注意点 |
|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | 原本が必要。コピーは不可 |
| 使用者の住所を証する書面 | 使用者や使用者の住所が変わる場合に必要。個人は住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)か印鑑(登録)証明書のいずれか1点、法人は商業登記簿謄(抄)本、登記事項証明書、印鑑(登録)証明書のいずれか1点。いずれも発行から3か月以内 |
| ナンバープレート | 使用の本拠の位置の管轄が変わる場合に必要。ナンバープレート代が別にかかる |
| 自動車検査証変更記録申請書 | 軽第1号様式または軽専用第1号様式 |
| 申請依頼書 | 新しい使用者以外の人(販売店など)が手続きする場合に必要 |
| 希望番号の予約済証、字光式車両番号指示願 | 希望ナンバーや字光式ナンバーにする場合 |
普通車と軽自動車の違い
普通車と比べたときの大きな違いは3つあります。1つ目は窓口で、普通車は運輸支局等、軽自動車は軽自動車検査協会です。2つ目は書類で、協会の必要書類の一覧には、普通車で求められる譲渡証明書や新旧所有者の印鑑証明書は挙がっていません。住所を証する書面は、住民票の写しでも印鑑証明書でもかまいません。3つ目は車庫の手続きで、普通車は申請の前に車庫証明を取りますが、軽自動車は協会での手続きのあとに、地域によって警察署への保管場所の届出が必要になります。
また協会は、車検証の使用者と所有者が違う場合、所有者(販売店やローン会社など)に記録事項の変更について前もって同意を得たうえで手続きするよう案内しています。ローンの残っている軽自動車を下取りするときは、ここを最初に確かめます。協会での手続きとあわせて軽自動車税の申告をする場合は申告書が必要で、協会に隣接する税関係の窓口で入手できます。
軽自動車の名義変更の要点
軽自動車の名義変更は、軽自動車検査協会で自動車検査証の記録事項を変更する手続きで、申請手数料は無料です。必要書類は、原本の自動車検査証、新しい使用者の住所を証する書面(発行から3か月以内の住民票の写しまたは印鑑証明書など1点)、自動車検査証変更記録申請書が基本で、販売店など本人以外が手続きするときは申請依頼書を添えます。使用の本拠の位置の管轄が変わるとナンバープレートの交換が必要です。申請先は新しい使用者が車を使う場所を管轄する事務所・支所・分室です。車検証の所有者が販売店やローン会社の場合は、事前に所有者の同意を得てから手続きするよう協会は案内しています。車庫の届出は協会の手続きのあと、地域によって警察署で行います。
譲渡証明書・委任状・印鑑証明書の準備:販売店が確かめること
普通車の名義変更でつまずきやすいのは、お客様や前の所有者から預かる書類です。販売する車と下取りする車とで、販売店の立場が入れ替わる点を押さえておくと整理しやすくなります。
| 場面 | 旧所有者 | 新所有者 | 販売店がすること |
|---|---|---|---|
| 店の在庫車をお客様に売る | 販売店(店名義の車の場合) | お客様 | 店の譲渡証明書と委任状、店の印鑑証明書を用意し、お客様から印鑑証明書と委任状を預かる |
| お客様の車を下取りする | お客様 | 販売店(店名義にする場合) | お客様から譲渡証明書、印鑑証明書、委任状を預かる |
下取りの場合、お客様の住所や氏名が車検証の記載から変わっていることがあります。その場合は旧所有者の氏名・住所の変更を証する書面(住民票など)が追加で必要です。商談の段階で車検証の住所と現住所が同じかをお客様に確かめておくと、書類のやり直しを防げます。
- 印鑑証明書の発行日が3か月以内か
- 譲渡証明書と委任状の押印が、印鑑証明書と同じ実印か
- 車検証の所有者欄が誰になっているか(ローン会社名義なら所有権の扱いを先に確認)
- 車検証の住所・氏名と、印鑑証明書の住所・氏名が一致しているか
- 車検証の有効期間が切れていないか
書類の不備を減らす受け取り方
名義変更の書類の不備は、受け取ったその場で確かめれば大半を防げます。国土交通省の案内では、譲渡証明書と代理申請の委任状には実印を押し、印鑑証明書は発行から3か月以内のものとされています。そのため、受け取った印鑑証明書の印影と、譲渡証明書や委任状の押印を並べて照らし合わせ、発行日を確かめることが基本になります。下取り車では、車検証の住所とお客様の現住所が違う場合に住民票などの追加書類が要るので、商談の時点で聞いておきます。預かった書類の一覧と受け取り日を、注文書の控えや顧客台帳に書き残しておくと、担当者が替わっても進み具合が分かります。
車庫証明(保管場所証明書)の取り方と有効期限
普通車の名義変更で使用の本拠の位置が変わり、保管場所の証明が必要な地域に当たる場合は、移転登録の前に車庫証明を取ります。警察庁の案内によると、申請先は自動車の保管場所の位置を管轄する警察署で、必要な書類は次のとおりです。
- 自動車保管場所証明申請書(2通。2通目はコピーでよい)
- 保管場所を使う権原を疎明する書面(自分の土地・建物なら自認書、他人の土地・建物なら賃貸借契約書の写しや保管場所使用承諾証明書など)
- 所在図(使用の本拠の位置と保管場所の位置を示すもの。条件によって省略できる場合がある)
- 配置図(保管場所と周りの建物や道路を示すもの)
保管場所は、道路上以外の場所であること、使用の本拠の位置との距離が2キロメートルを超えないこと、車の出し入れができて車全体を収められること、保有者が使う権原を持っていることの4つを満たす必要があります。手数料は都道府県の条例で決まるため、管轄の都道府県警察のウェブサイトで確かめます。警察庁は、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を使えば、警察署に出向かずにオンラインで手続きできることも案内しています。
車庫証明の段取りと有効期限
車庫証明(自動車保管場所証明書)は、保管場所の位置を管轄する警察署に申請し、申請書のほか、保管場所を使う権原を示す書面、所在図、配置図をそろえて出します。警察庁の案内では、保管場所は使用の本拠の位置から2キロメートル以内でなければなりません。国土交通省のQ&Aによると、移転登録で使う車庫証明は発行日からおおむね1か月間のものが有効です。お客様が月極駐車場を借りる場合は、貸主に保管場所使用承諾証明書を書いてもらう必要があり、日数がかかることがあります。契約が決まった時点ですぐ申請の準備を始め、交付されたら1か月以内に移転登録を済ませる順番で組むと無理がありません。軽自動車は証明ではなく届出で、地域によっては不要です。
名義変更の段取りと書類控えの管理
普通車を販売して名義変更まで進める流れを、販売店の作業として並べると次のようになります。
- 注文書を交わし、名義変更に必要な書類をお客様に一覧で渡す
- 車庫証明が必要な地域なら、保管場所の書類をそろえて警察署に申請する
- お客様の印鑑証明書と委任状を受け取り、印影と発行日を確かめる
- 店側の譲渡証明書と委任状、印鑑証明書を用意する
- 運輸支局等で移転登録を申請し、新しい車検証を受け取る
- 車検証の記載を確かめ、注文書の控えと一緒に保管する
名義変更の書類は、注文書と同じ車両・同じお客様にひもづく情報です。日本カーネットの3枚複写の注文書は、「お客様控え」「店舗保管用」「登録・名義変更用」の3部で運用する想定の書式で、登録手続き用の1部を書類一式と一緒に回せます。書式の詳細は注文書・見積書のラインナップでご覧いただけます。注文書の各欄の書き方は自動車注文書の書き方と記載項目、複写の控えの保管は複写式帳票の選び方と控えの保存で解説しています。
名義変更の進み具合を見失わない管理
名義変更の手続きは、注文書を交わしてから新しい車検証を受け取るまで、車庫証明の交付を待つ期間も含めて、いくつもの工程を順に進めることになります。その間に「印鑑証明書は届いたか」「車庫証明は交付されたか」を担当者の記憶だけで追うと、15日以内という期限に間に合わなくなるおそれがあります。紙で管理するなら、3枚複写の注文書の登録・名義変更用の控えに、受け取った書類と日付を書き込んでいく方法が手軽です。台数が増えてきたら、顧客と車両を紐づけて管理できる仕組みを使うと探す手間が減ります。日本カーネットが帳票購入者に無料で進呈している車両販売システムの機能制限版では、顧客数・車両数とも上限なしで顧客・車両管理ができます。詳しくは機能制限版でできることをご覧ください。
よくある質問
- 名義変更の15日を過ぎてしまったら、手続きはできませんか?
- 国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトのQ&Aでは、15日を過ぎても手続きは可能なので、必ず手続きを行うよう案内しています。手続きをしないと、リコールや自動車税などのお知らせが届かなくなります。
- 軽自動車の名義変更にも譲渡証明書や旧所有者の印鑑証明書が必要ですか?
- 軽自動車検査協会の名義変更の必要書類一覧には、譲渡証明書や旧所有者の印鑑証明書は挙がっていません。基本は自動車検査証の原本、新しい使用者の住所を証する書面、自動車検査証変更記録申請書で、本人以外が手続きするなら申請依頼書を添えます。個別の事情がある場合は管轄の事務所に確認してください。
- 印鑑証明書はいつ取ったものまで使えますか?
- 普通車の移転登録では、新旧所有者の印鑑(登録)証明書は発行から3か月以内のものとされています。軽自動車で住所を証する書面として使う場合も、発行から3か月以内です。
- 車庫証明は名義変更のたびに必要ですか?
- 普通車では、使用の本拠の位置が変わり、かつ保管場所証明が必要な地域の場合に必要です。軽自動車は証明ではなく保管場所の届出で、地域によっては届出も要りません。手数料は都道府県ごとに異なるため、管轄の警察のウェブサイトで確かめてください。
- 車販ソフトや自動車整備システムを選ぶとき、名義変更の面で見ておくことはありますか?
- 顧客と車両を紐づけて管理でき、注文書と同じ情報から手続きの進み具合を追えるかを見ておくと、書類の回収漏れを防ぎやすくなります。整備や車検も自社で受けているなら、整備と車両販売を1つで扱える自動車整備システムも比べる対象になります。日本カーネットでは、帳票購入の特典である車両販売システムの機能制限版のほか、整備システム・整備ソフト DREAM POWERもご案内しています。
出典・参考資料
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「車を売買等により名義変更するために必要な書類」
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/transfer/document/index.html - 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「Q&A」
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/faq/index.html - 軽自動車検査協会「名義変更(売買・譲渡・その他)」
https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/change_name.html - 警察庁「自動車の保管場所証明申請」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/shinsei-todokede/hokanbasyo-shinsei.html - 警察庁「自動車の保管場所届出」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/shinsei-todokede/hokanbasyo-todokede.html - e-Gov法令検索「道路運送車両法」(第4条、第13条、第67条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。税務・法令の個別の判断は、税理士・行政書士または所管官庁にご確認ください。
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