中古車プライスボードの作り方と表示項目|手書き・エクセル・システム比較

店頭に並べた中古車のフロントガラスに掲げるプライスボードは、通りがかりのお客様が最初に読む「その車の説明書」です。ところが実際には、手書きの文字がかすれていたり、月が替わって支払総額が古いままだったり、担当者ごとに書き方が違っていたりと、作る手間のわりに整わないことがよくあります。この記事では、自動車公正取引協議会(公取協)が定める中古車の店頭表示のルールに沿って、プライスボードに載せる項目と、手書き・エクセル・システムそれぞれで作る場合の違いを順に整理します。

中古車プライスボードの役割と店頭表示のルール

プライスボードは、値段を知らせる札であると同時に、規約で決められた情報を伝える表示物でもあります。公取協の会員店をはじめ、自動車公正競争規約に沿って中古車を販売する店は、店頭展示車に販売価格や走行距離数、修復歴の有無などを表示することが求められています。お客様にとっては、店員に声をかける前に「この車を検討してよいか」を判断する材料になります。

店側から見ると、プライスボードはもう一つの役割を持っています。商談の起点です。ボードに書いた年式や車検の有効期限、保証の内容は、そのまま見積書や注文書の記載とつながります。ボードと見積書で数字が食い違えば、お客様は不安になりますし、表示どおりの価格で売れない状態は規約上の問題にもなります。ボードを作る段階で情報を正しくそろえておくことが、後の帳票づくりを楽にします。

中古車プライスボードに求められること

中古車のプライスボードは、自動車公正取引協議会の自動車公正競争規約にもとづき、店頭展示車に必要な事項を表示するためのものです。2023年10月1日からは、販売価格を「支払総額」の名称で表示し、内訳として「車両価格」と「諸費用」を示すことになりました。あわせて初度登録年月、車名と主な仕様区分、定期点検整備の有無、保証の有無、走行距離数、修復歴の有無、使用歴、前使用者の点検整備記録簿の有無、自動車検査証の有効期限、自動車リサイクル料金の扱いを載せます。公取協のQ&Aでは、支払総額は別紙の見積書に書くだけでは足りず、プライスボードに明瞭に表示する必要があるとされています。つまりボード1枚で、価格と車の状態の基本情報が読み取れる状態にしておくことが求められます。

プライスボードの表示項目11項目と書き方

公取協の「中古車表示のチェックポイント(2023年10月版)」と、規約の解説ページに挙がっている展示車の必要表示事項は、次の11項目です。番号はチェックポイントの資料に合わせています。

番号表示項目書き方の要点
1販売価格(支払総額)「支払総額」の名称で表示し、内訳として車両価格と諸費用を書く。千円未満がある場合は切り上げて表示
2初度登録年月登録車は初度登録年月、軽自動車は初度検査年
3車名と主な仕様区分エンジン排気量、ボディタイプ、グレード、ミッションタイプなど、その車を特定できる情報
4定期点検整備の有無「定期点検整備付き」か「定期点検整備なし」。なしで要整備箇所がある場合はその旨
5保証の有無「保証付き」か「保証なし」。付きの場合は保証内容と、保証期間または保証走行距離数
6走行距離数走行距離計のキロ数。疑義がある場合は「?」と推定キロ数、根拠がなければ「不明」
7修復歴の有無車体の骨格に当たる部位の修正・交換歴があれば「有」
8使用歴自家用、営業用、レンタカー、その他
9前使用者の点検整備記録簿の有無展示時点から過去2年以内の定期点検整備の記録簿が備え付けられていれば「有」とし、内容を付記
10自動車検査証の有効期限有効期限の年月日
11自動車リサイクル料金預託済みか未預託か、相当額の扱い

手書きで抜けやすい項目

手書きのボードで抜けやすいのは、9番の記録簿の有無と、11番のリサイクル料金の扱いです。どちらも車を見ただけでは分からず、仕入れ時の書類や車検証を確認しないと書けません。また走行距離計の交換歴や修復歴があるなど「特定の車両状態」に当たる車は、コンディション・ノートなどの書面をフロントガラス等に表示し、その書面を購入者に渡すことが求められています。ボードの枠だけ埋めて安心せず、車両ごとに仕入れ書類を見ながら書く流れにしておくと漏れが減ります。

11項目をそろえるための下準備

プライスボードの11項目のうち、見た目で書けるのは車名や仕様区分くらいで、残りは書類から拾う情報です。初度登録年月と自動車検査証の有効期限は車検証から、走行距離数はメーターと仕入れ時の記録から、修復歴は査定や仕入れの記録から、記録簿の有無は車両に備え付けられた点検整備記録簿から確認します。リサイクル料金は預託済みかどうかと相当額を、支払総額のどこに含めたかまで書きます。仕入れた日にこれらを1枚のシートへ書き出しておけば、ボードも見積書も同じ元データから作れます。手書きでも、エクセルでも、システムでも、元データを1か所にまとめることが転記ミスを減らす近道です。

プライスボードと支払総額の関係

2023年10月1日からの規約改正で、中古車の販売価格は「支払総額」で表示することになりました。プライスボードで最も大きく目立たせるのは支払総額です。公取協のQ&Aでは、車両価格を支払総額より大きく目立つように表示することは認められず、不当な価格表示として重大な違反になるとされています。「コミコミ価格」などの言い方を添えてもかまいませんが、「支払総額」という名称そのものは省けません。

ボードには、支払総額に保険料、税金、登録等に伴う費用などが含まれている旨と、登録の時期や地域など一定の条件をつけた価格である旨も書きます。チェックポイントの記載例では「XX月現在、県内登録、店頭納車の場合の価格です」といった注記が添えられています。諸費用に何を入れて何を入れないかは細かな決まりがあるため、別の記事中古車の支払総額表示のルールで詳しく整理しました。

支払総額がボードの数字を毎月動かす理由

中古車の支払総額は、展示している月によって金額が変わることがあります。諸費用に含める自賠責保険料や自動車税種別割は未経過相当額を含めて計算するため、月が替わると額が動くからです。公取協のQ&Aでは、支払総額が変わった時点で速やかにプライスボードを変更することが求められ、展示台数が多い場合でもできるだけ速やかに対応するよう書かれています。全車を一斉に替える必要はなく順次の変更も認められていますが、インターネット広告の表示と食い違わないよう注意が必要です。「当月現在」と書く場合も、展示した月内に登録した場合の価格だと分かる表示にします。手書きのボードでは、この月替わりの書き直しが一番の負担になりがちです。

プライスボードの作り方:手書き・エクセル・システムの比較

プライスボードの作り方は、大きく分けて手書き、エクセルなどの表計算ソフト、車両販売システムの3つです。どれが正解ということはなく、展示台数や担当者の人数、入れ替えの頻度で向き不向きが変わります。

作り方向いている店起きやすいこと
手書き展示台数が少なく、入れ替えもゆっくりな店文字のくせで読みにくくなる、月替わりの書き直しが重い、項目の書き漏れ
エクセルパソコンに慣れた担当者がいる店ファイルが増えて最新版が分からなくなる、計算式が壊れても気づきにくい、見積書へ同じ数字を打ち直す
車両販売システム台数が増えてきた店、見積や注文書も同じ情報から作りたい店最初に車両情報を入れる手間がかかる、パソコンとインターネット環境が要る

手書きのプライスボード

手書きは道具がそろっていればすぐに始められ、急いで1台出したいときにも対応できます。一方で、担当者が変わると字の大きさや並び順が変わり、店全体の見た目がそろいません。月が替わって諸費用が変われば、該当する車の数字を全部書き直すことになります。

エクセルで作るプライスボード

エクセルでひな形を作れば、文字の見やすさと書式の統一は手書きより大きく改善します。ただ、車1台ごとにファイルやシートを複製していくと、どれが最新か分からなくなりがちです。支払総額を計算式で出している場合、誰かが式を上書きしても見た目では気づけません。見積書や注文書を別のファイルで作っていると、同じ車両情報を何度も打ち込むことになります。エクセル管理で起きやすいことは車販店のエクセル・手書き管理の限界でもまとめています。

システムで作るプライスボード

車両販売システムでは、車両情報を一度入力すれば、その情報をもとにプライスボードを作れます。同じ車両情報から見積書や注文書を作れる仕組みなら、ボードと帳票の数字がずれにくくなります。その代わり、最初に車両を登録する作業と、パソコン操作に慣れる時間は必要です。

手書き・エクセル・システムの選び分け

プライスボードを手書き、エクセル、システムのどれで作るかは、展示台数と担当者の人数でおおむね決まります。展示が数台で1人が担当しているなら、手書きでもきちんと回せます。担当者が2人以上になると、書き方のばらつきが目立ち始めるため、エクセルのひな形で書式を固定すると効果が出やすくなります。さらに見積書や注文書まで同じ数字を打ち直している店は、車両情報を1回入力すれば帳票とボードの両方に使えるシステムが合います。どの方法でも、2023年10月1日からの支払総額表示と11の表示項目を満たすことが前提で、作り方を変えても表示のルールは変わりません。

プライスボード作成の手順と更新のタイミング

1台分のプライスボードを作る流れを、手書きでもエクセルでも使える形で並べると次のようになります。

  1. 仕入れ時に車検証、点検整備記録簿、リサイクル券、仕入れ記録をそろえる
  2. 車名、仕様区分、初度登録年月、走行距離数、修復歴、使用歴を書き出す
  3. 定期点検整備をつけるか、保証をつけるかを決め、つける場合は費用を車両価格に含める
  4. 車両価格に諸費用を足して支払総額を出し、千円未満は切り上げる
  5. 支払総額に含まれるものと、価格の条件(月、登録地域、店頭納車)の注記を書く
  6. 特定の車両状態に当たる車は、コンディション・ノートなどの書面も用意する
  7. 展示を始めたら、月替わりと価格変更のたびに支払総額を見直す

公取協のQ&Aでは、デジタル機器で価格を表示し、紙でそれ以外の項目を表示する方法も可能とされています。ただし既存のプライスボードに手を加えて済ませる対応は、改正後の規約に対応しきれない可能性があるとして、速やかな差し替えが勧められています。定期点検整備の有無など、支払総額と同じ場所に表示すべき項目を別紙に回すのも十分ではないとされています。

プライスボードを見直すタイミング

プライスボードを見直すべきタイミングは、主に3つあります。1つ目は月替わりです。自賠責保険料や自動車税種別割の未経過相当額が変わると支払総額も変わるため、公取協は変わった時点で速やかな変更を求めています。2つ目は値下げなどで車両価格を変えたとき、3つ目は定期点検整備や保証の付け方を変えたときです。月末に展示した車で、登録が翌月になることが明らかな場合は翌月を前提にした表示も認められていますが、その場合は商談時に登録が翌月になることを説明します。見直し日を月末と月初のカレンダーに入れ、ボードとネット広告を同じ日に直すと、表示の食い違いを防げます。

プライスボード作成機能を無料の機能制限版で試す

日本カーネットでは、車両販売用の注文書と見積書を100枚セットで販売しています。帳票をご購入いただいた会社様には、有料で販売している車両販売システムの機能を制限した「機能制限版」を無料で進呈しており、その中にプライスボードの作成機能があります。

  • 2種類のレイアウトからプライスボードを選べる
  • ブラウザ上で入力して作成する
  • 同じシステムで、JUモデル注文書(特約事項)準拠確認済の注文書や見積書も作れる
  • 顧客数・車両数とも上限なしで顧客と車両を紐づけて管理できる

利用期限はライセンスキー発行日から3年間で、インストールは1企業1台、対応OSはWindows、インターネット環境が必要です。手書きやエクセルのボードをすぐにやめる必要はありません。たとえば展示車のうち数台だけをシステムで作ってみて、書き直しの手間や見た目の統一感を比べてから決める、という進め方ができます。作成機能の画面イメージはトップページのプライスボード作成で、機能制限版でできることの全体は機能制限版の紹介でご覧いただけます。

機能制限版で試すときの進め方

日本カーネットの車両販売システム機能制限版は、注文書や見積書の帳票を購入した会社に無料で進呈しているもので、ライセンスキー発行日から3年間使えます。帳票に同封の「無料登録申込書」に会社情報を記入してFAXで返送すると、担当者がリモート操作でセットアップします。プライスボード作成は2種類のレイアウトから選び、ブラウザ上で作る方式です。最初は入れ替えの多い数台だけをシステムで作り、手書きのボードと並べて読みやすさや更新の手間を比べると判断しやすくなります。期限後も使い続ける場合は正規契約が必要です。購入からセットアップまでの順序は購入からシステム利用までの流れにまとめています。

よくある質問

プライスボードとプライスカードは違うものですか?
呼び方の違いで、どちらも店頭展示車に掲げる価格と車両情報の表示を指して使われています。公取協の資料でも「プライスボード」「プライスカード」の両方の言い方が出てきます。確かめたいのは名称より、支払総額と11の表示項目が載っているかどうかです。
支払総額をプライスボードに書かず、見積書で伝えるのはだめですか?
公取協のQ&Aでは、プライスボードに支払総額が明瞭に表示される必要があるため、別紙の見積書だけで表示するのは十分でないとされています。見積書は商談の段階で、ボードの支払総額と同じ内訳になるように作ります。見積書の作り方は中古車見積書の作り方と諸費用の内訳をご覧ください。
月が替わるたびに全車のボードを書き直さないといけませんか?
支払総額が変わった時点で速やかに変更することが求められています。全車を一斉に替える必要はなく順次の変更も認められていますが、ネット広告の価格と食い違わないよう注意が必要です。書き直しの負担が大きい場合は、エクセルのひな形やシステムで作る方法を検討するとよいでしょう。
車販ソフトや自動車整備システムはどう選べばよいですか?
まず、いま手書きやエクセルで何に時間がかかっているかを書き出すことから始めると選びやすくなります。プライスボードと見積書・注文書を同じ車両情報から作りたいなら車両販売システム(車販ソフト)が候補になり、整備や車検も自社で受けているなら、整備と車両販売を1つで扱える自動車整備システムも比べる価値があります。日本カーネットでは、帳票購入の特典として車両販売システムの機能制限版を3年間無料で進呈しており、整備と車両販売をまとめて扱いたい場合は整備システム・整備ソフト DREAM POWERもご案内しています。
機能制限版のプライスボード作成機能はどんなレイアウトですか?
2種類のレイアウトから選んで、ブラウザ上で作成します。お店の前を通るお客様に向けた表示を、担当者が変わっても同じ見た目でそろえられます。画面のイメージはトップページのプライスボード作成の項目でご確認ください。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。税務・法令の個別の判断は、税理士・行政書士または所管官庁にご確認ください。

手書きの注文書から、まず一歩。

注文書・見積書の100枚セットをご購入いただくと、車両販売システムの機能制限版を3年間無料でお使いいただけます(1企業1台・Windows)。期限後は正規契約か、整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお選びいただけます。

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